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190227 精神的武装解除で北に呑まれる韓国

Category : 日本ルネッサンス
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日本ルネッサンス  櫻井よしこ

   精神的武装解除で北に呑まれる韓国


文在寅韓国大統領は待ち望んでいたマドンナを迎えたかのように、その全身から喜びを湧き立たせ、嬉しさを隠しきれない様子だった。

2月9日に金正恩朝鮮労働党委員長の妹、に金与正氏が訪韓すると、文氏は11日まで3日連続で彼女を国賓級にもてなした。

与正氏は10日には文氏に正恩氏の親書を渡し、ピョンヤンに招いた。

そのとき与正氏が文氏に「確固たる意思を持って決断する」よう求めたとピョンヤンのメディアは報じ、文氏は「条件を整えましょう」と答えたとソウルのメディアは報じた。

11日、与正氏と北朝鮮の「三池淵サムジオン管弦楽団」のソウル公演を観覧した席で、文氏は「心を合わせ、難関を突破しよう」と呼びかけた。




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韓国訪問の初日、与正氏はアゴを上げて相手を見下すような硬く冷たい表情だった。

ところが3日目には柔らかく親しみ深い笑みがふえ、文氏もすっかり相手に馴染んだかのような様子に変わった。

文氏が完全に北朝鮮のペースに嵌っている。

韓国を引き入れ、米韓同盟に亀裂を走らせ、日本とも引き離そうという北朝鮮の思惑を警戒するどころか、むしろ喜んで乗っているのだ。




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国際社会の経済制裁が効き始めた結果、資金もエネルギーも食料も大いに不足し追い詰められた北朝鮮に復活の機を与えるのが文政権の意図だ。

与正氏は10日の昼食会の席で「早い時期にピョンヤンでお会いできたらいいですね」と語ったが、その言葉どおり、文氏の北朝鮮訪問は驚く程早期に実現するかも知れない。

なんといっても文氏は名立たる親北勢力だ。

インターネット配信の「言論テレビ」で、「産経新聞」編集委員、久保田るり子しが語った。

「文氏は歴代政権中、正統性があるのは3つだと言っています。金大中、盧武鉉、そして自分自身の政権です。金大中も盧武鉉も北朝鮮べったりで、南北首脳会談を行い、金や物資を北朝鮮に渡しました」




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北朝鮮に貢いだ政権
韓国の経済的繁栄の基盤を築いた朴正熙大統領やその後の全斗煥大統領など、北朝鮮と対峙した政権は全否定し、北朝鮮に貢いだ政権を評価するわけだ。

朝鮮問題が専門の西岡力氏も「言論テレビ」で語った。

「金大中らは南北朝鮮の連邦政府を実現しようとしました。韓国全体を北朝鮮に捧げるという意味です。いま連邦政府を実現しようとすれば、韓国は直ちに真っ二つに割れる。文氏はそこに踏み込む前に敵である保守勢力を壊滅させようとするでしょう。例えば韓国ではすでに李明博元大統領逮捕の日程が具体的に取り沙汰されています」

金大中氏も盧武鉉氏も大統領選挙では政敵と戦った。

文氏は政敵である朴槿恵氏を逮捕し、財界の重鎮、閣僚ら35人を逮捕した。

選挙戦で敵となり得る有力者のほぼ全員を選挙前に逮捕したのだ。

敵を排除して選挙戦に臨んだのは、文氏が初めてだ。




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用心深くしたたかな文氏は、金大中氏の命日である8月18日に演説した。

「なぜ、金大中氏の目指した南北朝鮮の連邦政府は実現していないのか。私は絶対に実現させて御意志に応えます」と。

「そのために、国内の保守派、韓国の主流派勢力を全て取り替えると、文氏は誓っています。先述の3政権だけに正統性があり、他は全て親日親米で反民主勢力だと論難しています。韓国の主流派勢力を排除して、北朝鮮と共に連邦政府を創るのが狙いです」と西岡氏。

このような考え方だから、北朝鮮の提案にいとも簡単に乗るのだ。

その北朝鮮の提案がどれだけ性急になされたかを見れば、彼らがいかに追い詰められているかも自ずと明らかになる。

金正恩氏が今年元日の演説で平昌五輪に参加してもよいと述べたこと自体が、正恩氏の焦りを象徴している。




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北朝鮮は昨年11月29日に火星15の発射が成功したと発表したが12月22日、国連の制裁決議が採択されてしまった。

正恩氏はこの時点で、翌年つまり今年の作戦を平昌五輪参加という対韓平和攻勢に急遽、切り替えたと見られる。

五輪参加で時間も稼げる、制裁も逃れられる。

あわよくば韓国から金品も取れる。




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対韓平和攻勢は決まったが、アメリカにはいつでも本土攻撃ができると威力を示さなければならない。

それが2月8日の軍事パレードだった。

元々朝鮮人民軍の創設は1948年2月8日とされてきた。

日本の敗戦後、ソ連軍が北朝鮮に入り、金日正を人民委員会のトップに据えて、人民軍を作ったのだ。

その後70年代に金正日が歴史を捏造した。

父親らパルチザン世代こそが英雄で、朝鮮人民軍が日本と戦って勝ったのだと言い始めた。

そのために軍の創設は32(昭和7)年4月25日に変更された。

以来ずっとこの日が軍創設の日とされてきた。




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制裁が効いている
だが、平昌五輪の前に軍事パレードを行い、アメリカに武力を誇示しなければならない。

そこで以前に使われていた「2月8日」を突然持ち出し、革命軍は4月25日に作ったが、正規軍は2月8日だったと言い始めた。

無茶苦茶な話だ。

第一これでは48年9月9日の建国の前に軍ができたことになる。

しかし、文氏は北朝鮮のハチャメチャ振りを一向に気にしない。

ひたすら擦り寄るのだ。




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強行した軍事パレードで注目すべきは火星15を載せた移動式発射台だと、西岡氏が解説した。

「発射台のタイヤは9本、2列で18本です。以前は片側が8本で中国製でした。ところが片側9本のものが登場した。しかも北朝鮮が国内生産した。多軸の移動式発射台はタイヤが多い分、曲がる時、微妙に角度を変えなければならず技術的に難しいのです。それを作った。加えて4台も出てきた。アメリカの東海岸に到達するミサイルを、少なくとも4発、別々の場所から撃てることを見せたのです」

本気でやるつもりなのか。

但し、専門家らは本気にしては車輌の数が少ないという。

恐らく燃料不足ゆえだろうと見る。

制裁が効いているのだ。




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だから出来るだけ早く韓国からむしり取らなければならない。

こうした思惑で急遽、戦略を変えたのであろう。

変更は12月22日に国連の制裁決議が採択された頃であろう。

そこから前述の朝鮮人民軍の創設が2月8日に変更される事態が起きたと見て、ほぼ間違いない。

ちなみに戦略変更前に印刷が終わっていた今年の北朝鮮のカレンダーの建軍節は4月25日になっているそうだ。

これからの米中の動きは読みにくいが、精神的に武装解除された文氏は北朝鮮に手繰り寄せられていくだろう。

韓国は丸々向こう側に吸収されかねない。

日本は防衛費を倍増する勢いで軍備を整え、国防を確かなものにしなければならない。


週刊新潮'18.2.22号63-07より


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180807 一見平和な日本、だが千葉沖に中国の脅威

Category : 日本ルネッサンス
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日本ルネッサンス  櫻井よしこ

  一見平和な日本、だが千葉沖に中国の脅威


千葉県銚子市、九十九里浜沖で中国の情報収集艦が頻りにデータを取り続けている。

その理由を、東海大学教授の山田吉彦氏はインターネット配信の、「言論テレビ」の番組で次のように説明した。

「温暖化で潮流も海水温度も変化しています。黒潮(フィリピン東方から台湾、南西諸島、日本列島の南岸から、銚子沖に走り太平洋に溶け込む潮流)は時速約3海里、大体5.6キロ。その流れに乗る形で気づかれずに日本に接近するためのデータ収集です。彼らは日米の潜水艦が展開する海域も探っています」



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番組で同席した元防衛庁情報本部長の太田文雄氏が付け加えた。

「船から潜水艦を探知する手懸かりは音です。音は水中では、水温、圧力、塩分濃度によって上方向、或いは下方向に曲がって伝わります。上下方向の音の間をシャドーゾーンと言うのですが、ここに潜水艦が入ると船からの探知は難しい。九十九里浜沖の海洋調査は潜水艦を運用する際の戦術を立てるためでしょう」



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日本人は皆、日本は平和な国だと信じて暮らしている。

しかし、銚子沖まで中国船が迫っている事実を知れば、この平和の脆さが懸念される。

山田氏が語った。

「中国海軍の情報収集艦はかつて津軽海峡を日本海側から1往復半して太平洋側に出て、三陸沖をゆっくりと南下し、房総沖、奄美大島海域で往復しました。海上保安庁発行の海図は極めて正確で、皮肉にも中国がそれを元に実際に行動を起こすとき、どう動くのが最善かを探るために調査しているのです。すでに彼らは黒潮の最終点まで調べ上げています。千葉沖まで来ているのは、いつでも東京を取り囲んで、照準を合わせられることを意味します。2年前の秋、小笠原周辺海域に数百隻の漁船が集結しました。漁民が持ち帰ったデータも中国の海洋戦略の基礎資料になっているはずです」



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中国はいま東シナ海戦略を大胆に変え、最も危険な状況が生まれていると山田氏は警告する。
人民解放軍海軍のフリゲート艦がミサイルや大型の攻撃装備を外して海警局に払い下げられた。
船体を白ペンキで塗ってもその実態は機関砲を備えた軍艦であり、海保は太刀打ちできない。



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第3列島線制覇

海保の大型船は精々1000トン級だ。
南西諸島には6隻配備されていたが、安倍政権が4隻増やして10隻体制にし、3,000トン規模の船2隻加えて12隻体制にする。

中国の新造艦、海警2901は1万2千トンだ。
彼らは同型の強力なエンジンを10隻分、ドイツに発注済みだと山梨は説明する。

1万トンを超える船は海保にはない。
海保の大型船は1000トン規模である。
海上自衛隊にはあるが、限られている。
護衛艦でわが国最大の「ひゅうが」「いせ」が1万3,950トン、補給艦の「ましゅう」「おうみ」が1万3,500トン、砕氷艦の「しらせ」が1万2,500トンである。
海保の新しい巡視船の砲は以前と同じ20ミリ機関砲、射程は2キロである。

海警2901の砲は76ミリと30ミリ、射程は10キロを超える。



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東シナ海における中国の態勢強化はどのような戦略の変化を意味するのか。

再び山田氏が語る。

「海保が尖閣諸島海域を守り続けているのに対し、中国は何百隻もの漁船を入れてくるでしょう。漁船は軍と一体の工作船で、乗組員は軍人と考えてよい。大挙して押し寄せる彼らに海保は振り回され、その海保を射程10キロの砲を持つ海警2901が威圧します。彼らは尖閣諸島海域にとどまらず、東シナ海全域の制覇を狙うでしょう。ガス田開発と称して次々に建てたプラットホームの全てが洋上キチになり、ヘリコプター2機を搭載する海警2901が加わり、洋上基地が中国本土の基地と事実上合体します。ここから東シナ海略奪戦略がはっきり読み取れます」



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中国の海洋戦略には第一列島線と第二列島線に加えて、2040年までの第三列島線制覇という大目標があると、太田氏は注意を喚起する。

「12年6月に人民解放軍のシンクタンク、軍事科学院が発表した強軍戦略には、国益擁護に必要な海は南緯35度以北、東経165度以西と定義されています。ウェーク島、ミッドウェー、ハワイ両諸島などは外れますが豪州とマリアナ、パラオ、ソロモン各諸島などの殆どが入ります」

07年、中国は米国に太平洋をハワイで二分しようと初めて持ちかけた。
それが強軍戦略に書き込まれ、現在新型大国関係として、習出席がオバマ大統領に合意するよう促し続けている。
その先に習出席の「偉大なる中華民族の復興」がある。



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彼らの野望は89年以来の軍拡に支えられている。
10年から3年間で彼らは第4世代の戦闘機10個飛行隊分を増強した。

大田氏の解説だ。

「10個飛行隊は日本の航空自衛隊が保有する第4世代戦闘機の総数と同じです。凄まじい軍拡の結果、第4世代戦闘機の日中比は15年時点で293対731になりました」

第4世代の戦闘機F-15は日本の最新鋭機だ。
日本保有の全機を中国は3年で作った。
彼らの次の目標に第5世代戦闘機の開発がある。
アメリカは既にF-22、或いはF-35の第5世代戦闘機を実戦配備すべく準備中だが、中国がその技術をサイバー攻撃で盗み取ったと、米中経済安全保障調査委員会が非難した。



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海自と海保の連携

盗みを含めて彼らは国の内外で何でもする。
国内で習主席は軍事大国化のための荒療治に乗り出した。
地域毎に独立していた七大軍区制を潰して五大戦区を創設、陸海空の縦割りを超えて統合運用制に切り替えた。
有無を言わせず江沢民人脈を断ち切り、近代的統合運用で効率的な軍としての再生を目指す。



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彼我の力の差が拡大する中で、日本は何をすべきか。

日米同盟はまず第一に重要だが、アメリカは中東情勢と大統領選挙で手一杯だ。
日本を守るのは日本国であることを、これ以上ない程明確に認識することだ。
海自と海保の連携強化の妨げも無くすべきだ。
一例が、海保に軍隊の機能を営むことを禁じ、海自との連携を妨げる海上保安庁法25条の改正であろう。

石垣島から160キロ、急行しても3時間余りはかかる尖閣諸島海域で海保の燃料が少なくなったとき、25条ゆえに海自の補給を受けられず、一旦、石垣島に戻って補給を受け、再び尖閣の海にとって返すというのが現状だ。
なんという時間と労力の無駄、なんという非効率か。

どの国も海軍とコーストガードは一体となって海と領土を守る。
日本も同様であるべきだ。
これは法改正だけで1円もかけずにすぐ実行できる。

日本を守るための人員と装備も増やし強化すべきだ。
千葉沖に迫る中国船を想定すれば、海保と自衛隊の予算を、大幅に増やさずしてどうするのか。




'16.2.25の週刊新潮より


180620 チベットの悲劇、許しがたい中国の蛮行

Category : 日本ルネッサンス
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チベットの悲劇、許しがたい中国の蛮行

日本ルネッサンス 櫻井よしこ



1月の連休中に、3年9か月振りに日本を訪問したチベット亡命政府の首相、ロブサン・センゲ氏にお会いした。

米国ハーバード大学で上級研究員の地位にあった氏は、2011年8月にチベット人の自由選挙によって首相に選ばれ、亡命政府のあるインド北部のダラムサラに戻った。

ダライ・ラマ法王14世から政治指導者の地位を受け継いだ氏は、今年8月、5年間の第1期を終え、第2期を目指す。




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妻のケサン・ヤンドンさんも一人娘のリンダ・リナさんも昨年2月、ハーバード大学のあるボストンからダラムサラに移り住んだ。

リンダさんはいま8歳、完全な英語圏からチベット語圏へ、西欧近代社会から東洋の簡素かつ自然の摂理に多くを委ねる社会へと移り住んだ。

幼い淑女は両方の言葉で日本の童話を語ってくれるなど、健気かつ利発だった。

センゲ氏は家族と共に「チベット人として生き、チベット人として死ぬのが願い」だと語る。

これから長い間、チベット人としての闘いが続くが、氏は最も困難な課題に、誰よりも率先して取り組む人間でありたいと、笑みを浮かべながら語った。




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1月11日、千葉工業大学とシンクタンク「国家基本問題研究所」か共催したシンポジウムで、センゲ氏は基調講演を行った。

氏は講演で、学生たちに日本の平和な現状からは想像もつかないチベットの厳しい現実を伝えた。

内容が自ずと中国のチベット政策批判になったのは、チベットの歴史をみれば当然であろう。

中国は、台湾などと共にチベットを核心的利益と位置付け、独立は決して許さないと主張する。

センゲ首相は中国の主張を以下の5つの論点に絞った。

①チベットは歴史を通じて中国領土の一部だった、②中国がチベットを平和的に解放した、③チベット人は現在幸福で満足している、④チベット人はダライ・ラマ法王を嫌っており、法王の帰国を歓迎しない、⑤ロブサン・センゲ首相の事は誰も知らないし、彼は悪魔である。

この中国の主張は正しいのか。




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法王殺害を意図

①についてセンゲ首相は、821年の唐との戦いでチベットが連戦連勝し、唐と結んだ平和条約が石碑に刻まれている事実を指摘した。

「チベットの偉大な王の一人、第40代のティ・ラルバチェン王が唐と結んだ平和条約は石碑に刻まれ、長安の都の宮殿正面の前、チベット・ラサのジョカン大聖殿正門の正面、ググメル山のチベットと中国の分水嶺の3か所に建てられました。
碑には、チベットも唐も『現在の国境を尊重する』と書かれています。
国境の東方は偉大なる中国、西方は偉大なるチベットの領土であると明記されています。
碑は、チベットが中国の一部ではなかったことを示す多くの史料のひとつにすぎません」




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②に関して、中国はチベット寺院の95%、6,000以上の寺を焼き、破壊し、大多数の僧侶や尼僧を殺害したとして、センゲ首相は中国の侵入が「平和的解放」とは程遠かったことを説明した。

事実、中国は僧だけでなく、ダライ・ラマ法王殺害を主目的とした凄まじい殺戮作戦を実施した。

1949年に中華人民共和国を建国するや否や、毛沢東らがチベットを侵攻したのは周知のとおりだ。

チベット人を道路建設に駆り立て、道路が完成すると無数の武装した漢民族の兵士をトラックで運び、チベット全土に駐屯させた。

59年2月、彼らは人民解放軍の駐留地で開催する観劇に法王を招いた。

「護衛なしで来るように」という条件つきの招待だった。

チベット人は皆、法王が中国に拉致され危害を加えられると心配し、法王の住居だったノルブリンカ宮殿を取り巻いた。

観劇の誘いに応じないよう法王に訴え、中国人は中国に帰れと叫び、幾重もの人垣で法王を守ろうとしたのが3月10日である。




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続々と集結する中国軍との高まる緊張の中、法王は17日夜、宮殿を脱出しインド国境近くのロカに逃れた。

そうとは知らない人民解放軍は19日午後、ノルブリンカ宮殿に一斉砲撃を開始した。

集中放火はなんと、41時間も続いたと伝えられる。

宮殿内の僧、尼僧、一般のチベット人は殆ど全員殺害された。

宮殿も破壊された。

中国は明らかに、法王殺害を意図していたのである。

インド国境近くに逃れていた法王がインド政府に亡命を申請したのは同月29日だった。

これが実際に起きたことだ。

「チベット解放」は平和的に行われたという中国の主張は大嘘なのである。




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以下、③が事実なら、なぜいまもチベットの若者たちの焼身自殺はやまないのか。

④が事実なら、油をかぶって我が身に火を放ち苦悶の内に死ぬ人々の遺書に、なぜ、法王への熱烈な信仰心と帰国を待ち望む声が書き残されているのか。

⑤が事実なら、チベット人600万人全員に尋ねるがよい。

中国共産党支配の下に居続けたいか、自由選挙でセンゲ首相を選びたいかと。

チベット人は必ず中国共産党を忌避し、センゲ氏を選ぶだろう。




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中国を恐れない

いま、国際社会は強大化する中国の脅威に直面しているが、センゲ首相はチベット人がどのように中国に対処しているか、中国がどのようにチベットを取り扱ってきたかを知ることが、中国問題に正しく向き合う知恵を授けてくれると強調する。

チベット人は600万人、中国総人口の0.5%にすぎないが、センゲ首相は「チベット人は漢民族の中国を恐れてはいない」と繰り返す。

「私たちの全ては真実に基づいています。私たちは嘘とも捏造とも無縁です。時代の風は私たちを後押ししてくれています」

重要なのは、真実に共感する国際社会の輪を広げ、中国にそれを認識させることである。

かつてはその役割を担っていた米国が国際社会で引きこもり状態に陥りつつある。

米国に替わって真実の輪を広げる役割を担えるのが、実は日本である。




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アジア諸国の中でダライ・ラマ法王の訪問を受け入れているのはモンゴル、台湾以外では日本だけである。

しかも法王来日の頻度は他国と比較にならない程高い。

他のアジア諸国は中国の報復を恐れて、受け入れたくても決断できないのである。

そうした中、法王の来日のみならず、センゲ首相の来日も、その折々に歓迎してきた日本国の在り方に、日本人は誇りを抱いてもよいだろう。

今回もセンゲ首相は帰国する前日、国会施設内で自民党議員らと会談する。

政治家も民間人も、チベットをはじめとする少数民族問題や人権問題に関して、目の前に存在する悲劇や問題から目を背けないことが大事である。

そのためにも、首相来日の度に、或いは法王来日の度に、与野党共に真摯な対話を重ねるのがよい。

日本にはよき価値観を世界に広げる責任と力があるのである。



’16/01/21 の週刊新潮より


180102 中国人の邦人惨殺、通州事件を学べ

Category : 日本ルネッサンス
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中国人の邦人惨殺、通州事件を学べ

日本ルネッサンス 櫻井よしこ




『文藝春秋』元名物編集長の堤堯氏が嘆く。
ーーー氏と同年代(70代後半)の日本男児が余りにも歴史を知らないと。

「仙台の中学の同期生、12〜13人の集まりで通州事件を知っているかと尋ねたら、知っていたのがわずか3〜4人。歴史呆けは若いモンだけじゃない」

詳細は後述するが、通州事件は昭和12(1937)年7月29日払暁に、中国河北省通州で発生した日本人虐殺事件である。

日本人を守るべき立場にあった中国人保安隊が一挙に襲いかかり、日本人居留民225名に加えて日本軍守備隊32名の計257名を尋常ならざる残酷な方法で殺した。

日中戦争のこの重要事件を知らないのは堤氏の友人だけではない。

他の多くの日本人も同様ではないか。

その理由について、『慟哭の通州 昭和12年夏の虐殺事件』(飛鳥新社)を上梓した加藤康男氏が非常に重要なことを指摘しているーーー「日本政府は戦後一貫して事件のことを口にしていない。奇妙なことだが、日中両国政府がこの事件を『なかったこと』にしてしまっているとしか思えない」。




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中国への配慮からか、同事件に一切触れない外務省だけでなく、中国政府もこの事件を歴史から消し去ろうとしていると加藤氏が言うのは現地を取材したうえでのことだ。

いま事件現場を訪れると城壁や城門はおろか通州城の面影を示す建物全てが壊されているそうだ。

破壊は90年代に始まり、事件関連の建物の一切合切がすでに消えている。

さらに通州は北京市に編入され、副都心化に向けた建設によって昔日の歴史がきれいさっぱり拭い去られようとしている。

「南京や盧溝橋はもとより、満州各地にある旧大和ホテルに至るまでが『対日歴史戦』の遺跡として宣伝利用されていることを考えると、雲泥の差である。『通州虐殺事件』の痕跡は極めて都合が悪いので、完膚なきまでに消し去ったものとしか考えられなかった」との氏の直感はおそらく当たっていると思う。




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凄惨な目撃談

中国人は長い時間をかけて歴史を書きかえつつあるのだ。

彼らは、恐らく人類史上最も残虐な民族である。

だからこそ、日本人を中国人よりも尚残虐な民族に仕立て上げ、免罪符を得ようとしているのではないか。

そのためには、悪魔の所業としか思えない残虐な方法で中国人が日本人を殺害した痕跡の全てを消し去らなければならない。

それがいま、通州で起きていることではないか。




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通州事件が発生した前年の12月に、蒋介石が張学良に拘束され、国民党と共産党が抗日で協力する体制が生まれた。

西安事件である。

国民党軍と共産党軍が対日戦で協力するとはいえ、中国各地には彼らの他に匪賊、馬賊が入り混じって戦う複雑な状況があった。

しかし、通州場内は望郷自治政府の保安隊(中国人部隊)によって守られているから安全だと信じられていたと、加藤氏は説明する。

事件発生当時、邦人の安全を担う日本側の警備隊は用務員、小使らを加えても163名が全てだった。

対する中国人保安隊は城内に3300名、城外に2500名がいた。




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この勢力が29日午前3時すぎ、一挙に日本人を襲い始めた。

悪魔の所業は加藤氏の『慟哭の通州』もしくは今年出版されたもう1冊の本、『通州事件 目撃者の証言』(藤岡信勝編著・自由社)に詳しい。

中国人は日本人の目を抉り取り、腹部を切り裂いて10メートル以上も腸を引っ張り出した。

女性を犯したうえで無残に殺した。

何人もの日本人を生きたまま針金で掌を貫いてつなぎ、なぶり殺しにした。

日本人の遺体は全て蓮池に放り込まれ、池は真っ赤に染まった。

こうして書いていると息が苦しくなる。

日本人には信じがたい地獄を、中国人は実際に次から次へとやってのけた。

なぜこんなことが分かるか。




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夫が中国人で通州に住んでいた佐々木テンさんが事件の一部始終を目撃していたのだ。

佐々木さんはその後、夫と別れて、昭和15年に日本に戻った。

50年後、彼女は佐賀県基山きやま町の因通寺住職、調寛雅しらべかんがしに凄惨な目撃体験について語り始めた。

それがいま、前述の『慟哭の通州』と『通州事件』につながっているのだ。

当時の歴史を振りかえると中国側が如何に対日戦争に向かって走っていたかがよく分かる。

戦争をしたかったのは中国であり、日本ではなかった。

このことは立命館大学の北村稔教授が林紫雲氏と共著で出版した『日中戦争ー戦争を望んだ中国 望まなかった日本』(PHP研究所)にも詳しい。




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加藤氏も中国人の好戦性を書いている。

昭和12年7月7日夜、北京郊外で勃発した盧溝橋事件は、国民党の宋哲元軍長麾下の第29軍が日本軍に発砲したことが契機である。

日本政府はいち早く事件の不拡大を決定したが、中国側の挑発は続いた。

10日には中国人斥候が日本軍焼香を銃撃、13日には日本軍のトラックが爆破され、4名が死亡する「大紅門事件」が起きた。




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反撃の材料

25日には北京郊外の駅、老母腕軍用電線が中国側に切断され、修理に向かった日本軍の補修隊が迫撃砲による砲撃を含む激しい攻撃を受けた。

ここに至って日本側は先に閣議決定しながら実施せずにいた派兵を実行することになったのだ。

こうした歴史を日本人はあまりにも知らない。

意識しない。

中国の歴史捏造に反論しないのは、そもそも、このような歴史を知らないからだ。

堤氏が語る。

「岩波の『近代日本総合年表』は、世界の歴史を1日刻みで輪切りにして書いていますが、僕の手元にある版には通州事件が載ってない。これはおかしいと、岩波に問うたら、通州事件を加える必要を認めない、要は編集権の問題だというのです。ただ、その後に出版されたものには通州事件も入っていた。僕の講義が功を奏したのかもしれませんね」




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中国が歴史を捏造し、日本に酷い非難を浴びせても、外務省は反撃しない。

反撃の材料のひとつである通州事件にも、加藤氏が指摘するように一度も言及していない。

学校でも通州事件を含めて歴史そのものを余り教えない。

この奇妙な知的無関心の中で、通州事件は、中国の企むように忘れ去られていくのか。

断じて、そんなことは許されないだろう。




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私たちはもっと先人たちの思いや体験に心を致すべきだ。

日本を作ってきた先人たちの努力や誠実さを知るべきだ。

日本人の歩みを知らないことによって歴史の真実から遠ざかり、日本悪玉論を軸とする中国の歴史の見方に自ら転げ落ちてはなるまい。

加藤氏の『慟哭の通州』と藤岡氏の『通州事件』を、日本人なら、いまこそ読むように強く勧めたい。


’16/11/17 週刊新潮 61-44より



171215 沖縄米軍用地を中国資本が買っていた

Category : 日本ルネッサンス
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沖縄米軍用地を中国資本が買っていた

日本ルネッサンス 櫻井よしこ



日本の国土を外国資本が買い漁っている事実は旧聞に属する。

日本政府が、自民党政権の時も民主党政権の時も有効な対策を講じてこなかったのも周知のことだ。

外国資本に好き放題の国土買収を許してきた日本は異常だが、それでも沖縄の米軍用地の1割を中国人が買収していると聞けば、心底、驚かざるを得ない。




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10月21日、インターネット配信の「言論テレビ」で中田宏元衆院議員が語った内容は、日本国の土台が浸食されているというものだった。

氏は国会議員だった2013年、対馬を調査して驚いた。

自衛隊基地周辺の土地の殆どが韓国資本に買収され、基地は韓国人の土地にぐるりと囲まれていた。

万一の時、これでは自衛隊の動きが阻止されかねない。

その危機的状況に対処するべく、氏は土地売買に関して規制する法案を国会に提出した。

「私の法案は廃案にされました。それから3年、事態はより深刻です。沖縄の米軍用地の10%が中国資本に買われているのです」




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中国は尖閣諸島を自国領だと主張し、沖縄に関しても日本の領有権に異議を申し立てる。

彼らの真の狙いは、いずれ沖縄全体を中国領とすることにあると見てよいだろう。

沖縄に迫る中国の脅威を実感するからこそ、わが国は日米同盟を強化すべく努力してきた。

米軍への基地提供にも心を砕いてきた。

沖縄の米軍用地は約2万3300ヘクタール。

内、国有地と県、市町村有地が約1万5700ヘクタール、残りの約7600ヘクタール、全体の約33%が民有地だ。

「この民有軍用地の約3分の1を中国資本が買い取っているのです」と、中田氏は説明する。




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事実なら、まさしくプラックジョークではないか。

中国人の所有とされる民有軍用地は2500ヘクタール強になる。

坪数で756万2500。

沖縄軍用地の借地料は政治的配慮も働いて日本一高い。

場所によって異なるが那覇軍港なみの最高レベルの賃料なら坪1万9000円、浦添市などでは坪6000円だと、「産経新聞」の宮本雅史氏が「報道されない沖縄」(角川学芸出版)で報じている。




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国土すなわち国

坪6000円として中国人の手に渡る賃料は453億7500万円にもなる。

防衛省に問い合わせたが回答が得られなかったために、果たしてこの数字が正しいのか否か、判然としない。

しかし、少なくとも百億円単位の日本国民の税金を、毎年、日本政府が中国人に支払っている可能性がある。

中田氏は、防衛省も中国人による軍用地の取得については知っているのではないかと語る。



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政府や地方自治体がこうした事実をどれだけ把握しているかについて、沖縄県石垣市議会議員の砥板芳行氏のコメントが興味深い。

私の取材に対して氏は、当初こう語った。

「中国資本が軍用地を買っているとは、余り知りませんでした」

しかし、少し時間をかけて調べたあと、氏はこう語った。

「そのようなケースがあっても中国人は表に出てきません。しかし、注意深く情報を精査すれば、確かに中国人の動きが見えてきます」




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中田氏が指摘した。

「竹富町が所管する離れ小島にウ離島ばなりじまというのがあります。広さ1万坪の岩だらけの無人島で、水もありません。この島を中国が5億円という法外な価格で買おうとしたのです」

中国はこの島をなぜ買おうとしたのか。

現地の人は、考えられる理由として、海上保安庁の船が尖閣諸島海域に向かうとき、海保の船の動きを逐一監視できる場所がウ離島であることを挙げた。

売却話は、しかし、メディアの知るところとなって、結局立ち消えになった。

砥板氏が説明した。

「いまこの島は地元の不動産業者が管理しています。安全保障上、大事な所にあるだけに監視を続けることが重要です」

このような水もない島を買う理由が経済的要因にあるとは思えない。

どう見ても安全保障上の理由であろう。




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事実、島を買いにきたのは「中国国際友好連絡会」(友連会)という組織だった。

人民解放軍(PLA)の工作機関と考えて良い組織だ。

彼らは宮古島市の下地島空港周辺の土地も買いたいと申し出た。

同空港には3000メートルの滑走路がある。

中国に対処するために、下地島に自衛隊の拠点をつくることが大事だという指摘は多い。

それだけ重要な空港周辺の土地をPLA関連組織が買いにきたのである。




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国土は即ち国である。

国土があって、そこに人が住み、経済活動をしてはじめて国が形成される。

それを守ってはじめて独立国と呼べる。

国のもといである国土を、わが国は今日に至っても外国資本に買われるに任せている。

1平方ミリでさえも外国人に売らないのは中国だけではない。

フィリピンも外国人には売らない。

なのになぜ、日本政府は有効な手を打たないのか。

国政レベルの動きは信じ難い程鈍いが、地方自治体の憤りは強い。

全国市長会会長代理で山口県防府市長の松浦勝人氏が語る。




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外国人土地法

「10月19日に、北海道旭川市で北海道市長会が開かれ、皆さん憤っておられました。地方自治体の条例だけでは、外資の日本国土買収は全く防げません。これ以上外国人に土地を買われてしまうわけにはいかないと、革新色の強い市長さんも含めて全員の意見が一致しました。来年1月中に案をまとめて、政府に強く申し入れることになりました」

市町村の行政は住民生活に直結する。

行政の現場には山林や水源地、防衛施設周辺の土地を中国人が買い付けようと蠢く情報が入ってくる。

ほとんどの主張は山林や水源地の所有者を説得して外国人への売却を思いとどまらせようとする。

しかし、悪貨は現金でやってくる。

その現金に動かされる人もいる。




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しかし、国土を他国に売ってしまっては、もう戻ってこないのだ。

にも拘わらず、日本政府が規制できずにきた理由のひとつに、95年のWTO(世界貿易機関)加盟時に外務省が犯した致命的なミスがある。

他の加盟国がおよそ全て、その国なりの留保をつけて加盟したのに対し、日本は無条件で加盟したのだ。

だから今更、国土は外国資本に売らないとは言えないのである。




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当時の外務省の目は節穴だったが、現在の国会議員にもできることがある。

日本には大正時代の外国人土地法がある。

そこには相互主義と、国防上の観点から土地取引は制限できることが書かれてある。

相手国が日本人に土地を売れば日本も売るということだ。

国防上の懸念ゆえに取引を制限できるということだ。

その戦前の法律を現在に通用させるための工夫をすればよいだけである。

いま、政治がその工夫をしないのであれば、それは国民と国家に対する背信である。



’16/11/03 週刊新潮 61-42より




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